タイルを使う場合の注意点って?

タイルを使う場合の注意点って?

以前の記事で、建物の外壁の材料ごとに特徴をご紹介させていただきました。その際にお話した内容に「タイル」の話は出ていなかったかと思います。
では、外壁に「タイル」を用いた場合にはどんな特徴があり、どんな注意点があるのでしょうか?今回は外壁にタイルを使う場合の特徴と注意点についてお話します。

タイルの特徴

住宅に用いられるタイルには様々なものがありますが、外壁には土を焼成した磁器質(Ⅰ類)およびせっ器質(Ⅱ類)タイルが用いられるのが一般的です。なお、この他にも陶器質(Ⅲ類)タイルもありますが、これは多孔質で吸水性が高いため、外壁などの外部で用いる用途には適していません。

良い点(メリット):

  • 耐久性に優れている
  • 経年劣化によるタイル自体の劣化・変色・変質が少ない
  • 酸やアルカリに強く、酸性雨などでも変質しにくい
  • 耐熱性・耐火性・防水性に優れている
  • 耐摩耗性・清掃性に優れている
  • 質感が塗装や窯業系サイディングなどと異なり、「本物」感がある

 

悪い点(デメリット):

  • 塗装と比べて初期費用が高価
  • 手作業による張り付けのため、工期がかかる
  • 適切な計画・施工が行われないと剥落(落下)などのおそれがある

タイルを用いる場合の注意点

メンテナンスフリーは間違い

タイルは素材自体がもつ耐久性から、「メンテナンスフリー」として扱われてしまうことがあります。しかし、これは大きな間違いであると思います。耐久性があるのはあくまでも「素材自体=タイル自体」であって、それを張り付けている接着材やモルタル、タイルの目地(タイル同士の隙間)を埋めている目地材やシーリング材などについては「メンテナンスフリー」であるとは言えません。したがって、これらの箇所の異常がないか確認するためにも、10年起き程度に検査は必要ですし、シーリング材などの補修・修繕も必要となります。ただし、塗装による仕上げ程の大規模な補修・修繕ではなく、比較的小規模なものとなりやすいため、ランニングコスト面では塗装よりも優位であると考えられます。なお、マンションの場合は10年起きの全面的な点検(打診)が法により「義務」付けられていますので、注意が必要です。
また、タイル自身の耐久性がいくら大きいとは言え、あくまでも下地の表面に張り付けているだけです。つまり、下地自体が変質してしまったら、元も子もありません。外壁でタイルを用いる場合は、下地の耐久性などについても注意をはらう必要があります。

不適切な計画・施工は危険の元

タイルを外壁で用いる場合には、計画・施工を行う上でいくつかのルールがあります。それらは適切に守られることで初めて、タイルに剥落等が生じずに長期間の使用が可能となります。

適切な割付を守る

タイルは硬質である程度の強度をもつ材料であるため、窯業系サイディングやALCパネル(厚さ100㎜以上)などのパネル系外壁材を下地とした場合には、パネル1枚毎にタイルを割り付ける必要があります。これは、パネル系外壁材は地震によりパネルが一枚毎に動くメカニズムであるため、パネル2枚に渡ってタイルを張り付けてしまうと、その動きが阻害され、パネルの破損もしくはタイルの剥落などの被害が生じてしまいます。また、大きな面積にタイルを張り付ける場合は、適切な間隔で伸縮調整目地を設けることが必要です。この伸縮調整目地は、下地の熱膨張などの伸縮に対応するもので、下地に入っている伸縮調整目地と同一の位置とする必要があります。

密実に接着する

タイルは下地と密実に接着されることで初めて、下地と一体化することができます。これが不適切な施工により、密実に接着されなかった場合には、タイルの浮きや剥落などの原因になります。これらを避けるためには、確実に施工していただくようお願いをすることはもちろん、施工後の検査を確実に行っていただく必要があります。検査方法としては、打診棒(テストハンマー)を用いた打診(タイル表面に打診棒を当てながら転がし、音の違いにより異常の有無を見極める)を行うことが一番確実と言え、施工業者には間違いなく行ってもらうようにしましょう。

まとめ

  • タイルは表面の質感が「本物」に感じられる
  • タイルはメンテナンスフリーではない
  • しかし適切な施工、メンテナンスにより長期間の使用も可能
  • 不適切な計画・施工はタイルの剥落のおそれあり

タイルは本来の性能を引き出すことができれば、高級感もあり、かつ、長期間使用できる優れた建材であると思います。しかし、適切な計画・施工を行い、タイル本来の性能を引き出すには設計者、施工業者の選定が非常に大切です。
良い面ばかりでなく、しっかりとデメリット、そして解決策を提案できる業者こそが信頼できる業者であると管理人は思いますので、皆さんもたくさんの業者と話をし、本当に信頼のできる業者を探してみてください。

こちらの記事で業者の探し方をご紹介しています!あわせてご一読ください。

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