【マンション】間仕切壁(界壁)の遮音性能は壁の仕様だけが決め手じゃない!

【マンション】間仕切壁(界壁)の遮音性能は壁の仕様だけが決め手じゃない!

前回の記事では床の遮音性能についてお話いたしましたが、快適な住環境を得るためには、隣の部屋からの音についても気になるポイントかと思います。間仕切壁(界壁)の仕様などによって、壁の遮音性能は大きく異なるのは当然ですが、それ以外の要因によっても遮音性能は上下してしまうのです。そこで今回は、隣戸との境となる界壁の遮音性能についてお話したいと思います。

音の種類

隣戸から伝わってくる音には、「空気伝搬音」「固定伝搬音」の2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りとなっています。

空気伝搬音

空気中を伝わり、壁面や開口部(サッシなど)を通り抜けて室内に伝わる音のことをいいます。一般に、隣戸のTVやステレオなどの音や話し声などは空気伝搬音に分類されます。

固定伝搬音

建物の構造などを伝わる振動によって、室内の壁面から発生する音のことをいいます。一般に、足音や扉を閉める音、水道の流水音などは固定伝搬音に分類されます。

なお、ピアノに関しては、ピアノから発生する音自体は空気伝搬音ですが、ピアノの脚部を通して床に振動が加わるため、固定伝搬音の要素も含んでいます。

界壁の遮音性能

界壁の遮音性能は、壁の表裏面での音圧レベル差によって定義され、「室間音圧レベル差」と呼ばれています。これがどういうことかと言うと、「隣の部屋で発生した音がどのくらい小さくなって聞こえてくるか」を示した指標となります。この指標は一般に、「D-50」などの数値で表され、数字が大きくなればなるほど遮音性能が高いことを示します。

遮音性に関する注意点

間取りに注意

通常の遮音性能があれば、隣戸からの音はあまり気にならないかと思いますが、夜間になると周囲の音も少なくなり静穏な状況となりますので、隣戸からの音が気になりやすくなります。そんな時、寝室の隣が音の発生しやすい浴室やリビングであった場合、隣戸との生活リズムの違いにより騒音問題に発展してしまうこともあります。現在の設計ではきちんと配慮がなされていることが多いですが、念のため気にしてみるとよいでしょう。

壁の構造に注意

鉄筋コンクリートの壁などは質量が大きいため、空気伝搬音に関して非常に有利に働きます。しかしながら、鉄筋コンクリートの壁に石膏ボードを接着剤で直接貼り付ける工法(GL工法)を採用していた場合には注意が必要です。通常の素面のままであれば高い遮音性能を有する鉄筋コンクリートであっても、石膏ボードを接着剤で直接貼り付けてしまうと、遮音性能が1~2ランク落ちてしまいます。鉄筋コンクリートの壁が採用されている場合には、軽量鉄骨下地(LGS)により鉄筋コンクリートから独立した形で仕上げが施されているものを選択するとよいでしょう。なお、鉄筋コンクリートの場合は壁厚が厚ければ厚いほど遮音性能が高くなりますので、目安としては厚さ150㎜以上のものを選ぶとよいと思います。

また、現在では鉄筋コンクリートの壁以外に、石膏ボードとLGSを用いた壁も主流になっています。この構造の壁については、壁の構成(仕様)によって大きく性能がことなりますので、注意が必要です

壁の仕様に注意

上記で記載した石膏ボードとLGSを用いた壁に関しては主に、石膏ボードの厚さや枚数、内部にグラスウールなどの遮音・断熱材が入っているか、石膏ボードを貼り付けるLGSが壁の表裏面でそれぞれ独立しているか(表裏面で同一のLGSに張り付けていないか)を確認しておくとよいでしょう。一般に、石膏ボードの厚さが厚く枚数が多ければ多いほど、グラスウールなどが配置され、表裏面で独立して貼り付けられていれば遮音性が高くなります。石膏ボードの目安としては、表裏ともに21㎜と9.5㎜の2枚張りの仕様を目安とするとよいと思います。

なお、石膏ボードがスラブや外壁、梁などと接地する部分については、隙間が生じてしまいますので、繊維系の素材や音を通しにくいシーリング材など施し、しっかりと密閉することが大切になります。小さな隙間があると音が漏れてくる原因になりますので、施工状況をしっかりと確認しておくことをおすすめします。

また、石膏ボードはサイズが決まっており、ボード状のものを繋ぎ合わせて面を構成する形になります。これらの繋ぎ目も音が漏れる原因になりますので、石膏ボードの1枚目と2枚目とで石膏ボードの繋ぎ目がずれていることを確認しましょう。なお、石膏ボードの1枚目と2枚目は接着剤を塗布し、接着させる形になりますので、使用している接着剤も遮音性に配慮されたものが使用されていることが望ましいです。この点についてもあわせて確認するとよいでしょう。

外壁の開口部(サッシなど)に注意

隣戸からの音は建物を通し、外壁の開口部(サッシなど)からも室内へ伝わってきます。界壁の遮音性能が低ければ、界壁を通して音が漏れてきますので影響は小さいですが、界壁の遮音性能が高い場合は遮音性能に大きな影響を与える要因になります。これらは、外壁の開口部が隣戸からなるべく離れていること、およびサッシの遮音性能が高いものを使うことである程度改善することができますので、それらの点について確認するとよいでしょう。

床(スラブ)の構造にも注意

床(スラブ)の構造がデッキプレートなどの振動しやすいものであった場合、どんなに界壁の遮音性能を高めても、床(スラブ)を通して室内に入り込んできてしまいます。高い遮音性能を求めるのであれば、界壁だけでなく、床の遮音性能についても注意する必要があります。

まとめ

  • 界壁に関する音の種類には空気伝搬音と固定伝搬音がある
  • 界壁の仕様により遮音性能が大きく異なる
  • 遮音性能を高めるには、界壁自体の仕様のほか、床やサッシなども重要

また、界壁自体の仕様を高めるにはその分費用が必要になりますが、間取りや窓の位置に関しては費用に関係なく検討することができます。予算上、仕様を高めることが難しい場合には、このような点も考慮し、検討してみてはいかがでしょうか。

床と同様に、上記はあくまでも一般的な話です。遮音性能は建物の構造や床の構成、断熱材の仕様など、様々な要因によって上下し、実際の遮音性能は建物の仕様によって大きく異なります。「こんなはずはなかった」と後悔してしまわないように、しっかりと検討したほうがよいと言えます。特に遮音性能については快適な住環境ときってはきれない関係で、また、騒音問題は自身だけでは解決できない問題であり、後から悔やんでもどうにもならないことが多いです。後悔せずに快適な住環境を確保するためには、専門家や業者にしっかりと相談し、納得できるまで話し合いをすべきであると管理人は思います。

こちらの記事で業者の探し方をご紹介しています!あわせてご一読ください。

関連記事:【戸建て・マンション】住宅の業者を探すにはどうしたらいいの?

床の遮音性能についてはこちらをご覧ください。

参考記事:【マンション】上下階の遮音性能は床によって大きく違う!