建物を建てる時に手抜きになりやすい場所って?

建物を建てる時に手抜きになりやすい場所って?

みなさんがご自宅を購入され、いざ建築に取り掛かった際に不安に感じることはなんでしょうか?それはおそらく「手抜き工事」、いわゆる「欠陥住宅」であると思います。「手抜き工事」の内容は大から小まで様々ですが、「手抜き工事」は一歩間違えれば、みなさんが考えに考えて決めたご自宅を破壊しかねないものであります。では、それらの「手抜き工事」はどのようなもので、どんなところに気をつければいいのでしょうか?今回は、「手抜き工事」についてお話したいと思います。

手抜き工事とは?

一言で「手抜き工事」と言っても、その内容は様々です。品質が落ちる事がわかっていながら価格優先で安価な品を使うこと、コストを下げるためにわざと必要量を満たさないこと、また、現場を進めていく上で発生した不具合を工期と価格を優先して見て見ぬフリをする行為、同じく現場を進めていく上で発生した不具合を「めんどくさい、手間がかかる、これくらいいいや」と見逃してしまうことなどが、いわゆる「手抜き工事」であると管理人は考えます。

手抜き工事が起こりやすい場所

では、上記の「手抜き工事」はどんな場所で発生しやすいのでしょうか?概ね全ての「手抜き工事」に共通して、「見えなくなってしまう場所」で起きやすいと管理人は考えます。これは、「相手が素人だからという軽い気持ち」と、「見えなくなってしまえばわからない」という気持ちから発生してしまうと思います。ここではそれらの「手抜き工事」について、いくつかの具体的な例を出しながらお話したいと思います。

鉄筋コンクリート部分の手抜き

鉄筋コンクリートは、鉄筋コンクリート造の建物だけではなく、木造や鉄骨造の基礎部分にも使われています。建物を支える基礎なわけですから、非常に重要な部分であると言えます。そして、ここで注意いただきたいのは以下の4点です。

コンクリート打設時の天候:

コンクリート打設とは、現場で組み立てた鉄筋入りの型枠の中に、生コンクリートを打ち込む作業のことをいい、雨が降っているのにこの作業を行なっていたら要注意です。生コンクリートはセメント量と水分量などを要求された強度に達するようにそれぞれの量を計算して配合しています。つまり雨が入り込むことによって、水分量が計算よりも多くなってしまい、所定の強度を得る事ができなくなる可能性があります。また、このようなことが行われるということは「工期・コスト優先」な業者である可能性が高く、他の場所においても「手抜き工事」を行う可能性があると言えるでしょう。

鉄筋のかぶり厚さ:

鉄筋コンクリートの中に配筋されている鉄筋は、通常、防錆処理(錆止め)がなされていません。これは、コンクリートの強アルカリ性により、鉄筋の酸化を防止しているため防錆処理が不要になっているのです。そして、鉄筋のかぶり厚さとは鉄筋の表面からコンクリート表面までの距離のことをいい、簡単に言うと、「鉄筋がどれくらいコンクリートをかぶっているか」ということです。また、コンクリートは経年により表面から徐々に中性化(防錆機能を失う)していく材料で、コンクリートの厚さが厚ければ厚いほど、中心まで中性化するのに時間が掛かります。つまり、鉄筋に適正なかぶり厚さがないと、コンクリートによる防錆機能がすぐに切れてしまい、10年後、20年後には鉄筋が錆びてしまうおそれがあるということです。

鉄筋の本数:

これは単純に、指定された鉄筋量に足りていないことを指しています。しかし、ニュース等でも話題になった事件以降、わざと鉄筋を抜く人はいないと思います。ただし、開口部(窓など)の部分の開口補強筋や、壁や基礎の端部やコーナー部分の補強筋などの鉄筋量は、建物の設計者により考え方が違うこともあります。これらの部分において、よく確認しないまま「いつも通り」に工事を行なってしまうと、思いもよらぬところで「手抜き工事」になってしまう可能性があります。

コンクリート打設後の型枠脱型(取り外し)時期:

コンクリートを打設した後、型枠を取り外すには適切な養生期間を設けなければなりません。これは、公共建築工事標準仕様書(公共建築工事で用いる基準)では以下のように定められています。

平均気温基礎・梁側・柱・壁スラブ下梁下
15℃以上3日17日28日
5℃以上5日25日28日
0℃以上8日28日28日
コンクリートの圧縮強度による場合5N/㎡以上設計基準強度の85%以上、または、12N/㎡以上※設計基準強度以上※

 

※かつ、施工中の荷重や外力について、構造計算により安全であることが確認されるまで。

ここで知っておいていただきたいのは、この日数に満たない場合であっても取り外しを行うことができる点です。ただし、それを行うには、コンクリートの供試体(サンプル)の圧縮強度試験を行なって、上記の基準強度を超えていることを確認する必要があります。なお、この供試体は現場でコンクリートを打設している時に生コン車から抜き取り(サンプリング)をしたものを現場で水中養生したものである必要があります。これらはしっかりとした業者であれば自主的に行なっていますが、手抜きを行うような業者はこの手間を省き、何の確認もなしに型枠を取り外していることがあります。

木造部分の手抜き

木造では主に、木材同士の接合部ついて注意を払う必要があると考えます。木材同士の接合部は場所により異なる様々な金物を用いて留め付けや締め付けを行なっています。木造はこれらが適切な方法で固定されることで効果を発揮するものであるため、不適切な金物や固定方法がなされた場合には耐震性などに支障がでる可能性があります。特にボルトを用いて締め付ける場合のボルトの管理、耐力壁を構造用合板などを用いて構成する場合の釘の管理などは甘くなりがちであると考えられます。

鉄骨部分の手抜き

鉄骨はほぼ全てを工場で加工し、現場では組み立てを行うのみであるため、木造や鉄筋コンクリート造と比較し、手抜きが起きにくい構造であると言えます。しかし、そんな鉄骨造であっても、現場での溶接作業や、鉄骨同士の接合(高力ボルト)などは必ず行われます。それらの部分については、要注意が必要であると言えます。

溶接作業:

現場での溶接作業は主に、構造躯体(柱・梁)ではなく、胴縁などの軽量鉄骨材に行われることが多いです。現場で溶接を行うことは何ら問題はないことですが、溶接した後の処理が非常に重要で、溶接後は必ず防錆処理(錆止め)を行う必要があります。具体的には、溶接表面のスラグ(ゴミ)処理を行い、錆止め塗料と塗布もしくはスプレーします。これらが適切に行われていないと、溶接部に錆が発生し、強度や耐久性に支障をきたすおそれがあります。

鉄骨同士の接合:

構造躯体(梁)の鉄骨同士の接合は高力ボルトを用いたボルト接合が一般的です。これは、強い力で締め付けたボルトの締め付け力と、それにより生じる鉄骨同士の摩擦力により固定をする方法であり、適切な性能と耐久性を確保するには高力ボルトの締め付けを適切に管理する必要があるのです。しかし、現場では下記のような省略した手順を用いていることが多いため、注意が必要であると言えます。

正規の手順:

一次締付→マーキング※→二次締付→マーキングのずれなどを確認

省略した手順:

一次締付→二次締付→ずらしてマーキング

※二次締付時に適切に締め付けが行われているか確認するために、二次締付の前後でマーキングのズレを確認します。

断熱部分の手抜き

断熱性能は適切な性能の断熱材を適切な厚さ設置(吹き付け)することで、初めてその効果を得ることができます。つまり、これらのどちらかが足りていなければ断熱性能が不足してしまう可能性が高くなると言えます。これらの手抜き工事では、ボードを貼り付ける、もしくは繊維状のもの(グラスウール)を詰める方法の場合は、コスト削減のため断熱性能の低いものを用いたり、吹き付けを行い現場発泡させる場合には、厚さを薄く(薄吹き)されたりすることがあります。また、繊維状の断熱材の場合、繊維に水分を含むと断熱性能が失われるだけでなく、カビの発生原因にもなります。通常、繊維状の断熱材は雨や水に濡れないように管理されますが、万が一濡れてしまった場合にはそれらを使用しないことが望ましいと言えます。

まとめ(手抜き工事への対策)

「手抜き工事」への対策は非常に難しいのが実情です。上記のような箇所で手抜きが行われる可能性があるとわかっていても、現場に常駐することは難しいと思います。しかし、こちらから何も言わないと悪質な業者はやりたい放題になってしまいますので、最低限の建築知識を学び、気になる点をどんどんと業者へ確認することが1番の対策であると言えます。また、これらのような事態にならないためには業者選びは非常に重要です。業者選びは妥協せずに、本当に信頼できる業者を探しましょう。

こちらの記事で業者の探し方をご紹介しています!あわせてご一読ください。

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