【戸建て】屋根を決めるポイントは?

【戸建て】屋根を決めるポイントは?

これまでの記事で、外壁や構造などについてご紹介してきましたが、建物の性能を決める要素として、実は「屋根」も重要な要素になっています。屋根は軽視されがちですが、断熱性、防水性や建物の耐震性にもかかわる部材ですので、しっかりと選択することが望ましいと言えます。

今回は、この「屋根」について、なぜ重要であるのか、どんな種類があるのか、また、それぞれにどんな特徴があるのかについてお話したいと思います。

屋根を選ぶことの重要性

屋根は建物の外観を形成する一部材ではありますが、上に記したように、断熱性、防水性や建物の耐震性にもかかわってくる部材です。ここでは、それぞれの性能について、屋根のどんな部分が影響してくるのかをご紹介します。

断熱性:

屋根は外壁と同様に、外気に接し、また、直射日光を受けるなど、建物を構成する部材の中でも過酷な環境におかれた部材と言えます。そのため、屋根の断熱性や遮熱性が低い場合は、屋根が受けた熱をすぐに吸収してしまったり、屋根から熱がすぐに逃げてしまったりします。そのため、屋根には一定の断熱性能が求められ、一般に屋根の真裏を断熱することで対応しています。ただし、使用する材料によって、必要な断熱材の厚さなどが異なってくるため、事前に検討を行うことが望ましいです。また、屋根の色についても重要な要素で、暖色系の色は熱を吸収しやすく、寒色系の色は熱を吸収しにくい色ですので、ライフスタイルや地域特性に応じて屋根の色を選択することも住まいの快適性向上に寄与します。

防水性:

屋根は水平に近しい状態で構成されているため、雨の影響を大きく受けます。選択する屋根の種類によって、防水の方法が異なってきますので、それぞれの特性を考慮した屋根を選択することが望ましいです。

耐震性:

一般に、建物の最上部に重量物がある時、建物は揺れやすくなります。そのため、屋根が重ければ重いほど、建物の揺れが大きくなりやすく、建物自体の強度が求められます。また、屋根自体の耐震性についても屋根の種類によって大きくことなり、地震に強い屋根、地震に弱い屋根が存在しているのです。一般に、瓦屋根は建物全体に対して重量が重くなりがちであるため、地震に弱いと言われています。

 

屋根のデザインも非常に大切な要素でありますが、後悔しない住宅造りを行うためには、屋根のもつ性能をしっかりと検討することが重要であると管理人は考えます。

続いては、屋根にはどんな種類があり、それぞれどんな特徴を有しているかをご紹介いたします。

屋根の種類

屋根の種類は、以下の6種類が一般的となっています。

  • 瓦屋根
  • スレート屋根
  • 板金屋根
  • 銅板屋根
  • ALCパネル
  • 鉄筋コンクリート(デッキスラブ含む)

それぞれの特徴とメリット・デメリット

瓦屋根

良い点(メリット):

  • 耐久性が高い
  • 雨音が聞こえにくい

悪い点(デメリット):

  • 重量があり、地震に弱い
  • 建物自体の耐震性についても配慮が必要
  • 色があまり選べない

焼き物であるため、タイルと同様に耐久性の高い材料であり、素材自体は100年持つとも言われています。

また、瓦は重量があるため雨音などの音を伝えにくい性質を持っていますが、その重さ故、地震に対しては弱くなっています。地震による揺れで瓦がずれてしまったり、落下してしまうことがあり、地震被害調査に行くと非常に多く見られる光景です。ですが、最近では瓦の留め付け方が変わっており、従来は下地に引っ掛けておくだけだったものが、釘などを併用して留め付けるようになりました。この事により、以前よりは瓦がずれる、落下するといった被害が減っているようです。ただし、瓦の重さ自体が変わったわけではないので、建物自体は揺れやすいままです。瓦を用いた木造住宅がつぶれてしまう被害なども多発していますので、瓦を用いる場合は建物自体の耐震性もしっかりと検討する必要があります。

また、瓦は焼き物であるため、色の選択肢が少なく似たような色になりがちのため、個性を出したい方には不向きな屋根材料であると言えます。

スレート屋根

良い点(メリット):

  • 軽量
  • 安価
  • 施工が簡単
  • 色が選べる

悪い点(デメリット):

  • 耐久性に難あり

軽量であるため、瓦のような地震被害は起きにくいです。また、安価であるため、初期費用を抑えられることもメリットと言えます。しかし、耐久性が高いとは言えず、適切なメンテナンスを施したとしても30年強で交換する必要があります。ただし、施工自体は簡単であるため、交換費用にそこまで大きな金額がかかることはないと考えられます。

また、スレート屋根は表面を塗装して仕上げているため、色の選択肢が多く、表面を掘った加工なども施せるため個性的なデザインとすることもできます。しかし、表面の塗装は10年程度で塗り替えが必要であり、30年経過以降は素材自体の劣化が進んでいるため、塗り替え作業時に破損してしまうこともあるため、建物の長期使用を検討されている方にはあまりおすすめできません

板金屋根

良い点(メリット):

  • 非常に軽量
  • 多様な屋根デザインに対応できる
  • 色が選べる

悪い点(デメリット):

  • 雨音が気になる可能性がある
  • 断熱性が低い

厚さ1㎜弱の塗装された金属板(ガルバリウム鋼板)を加工したものを部材として用いているため、非常に軽量で地震による被害が起きにくい材料です。

また、ガルバリウム鋼板の表面を塗装しているため、カラーバリエーションは豊富です。また、遮熱性もしくは吸熱性に優れた塗料などを用いた商品も存在しており、それらを用いることで室内の住環境向上に寄与することができます。しかし、金属板であるが故に、熱伝導が高く断熱性は低いです。そのため、金属板の裏面に数ミリ程度の断熱シートを接着し断熱性を確保することが一般的です。また、非常に加工が行いやすいため、他の材料ではできないような屋根形状にも対応することができます。

耐久性については、元々腐食に強いガルバリウム鋼板を用いているため、スレート屋根以上の耐久性を有していますが、瓦屋根や銅板屋根には及びません。ガルバリウム鋼板がいくら腐食に強いとは言え、経年により表面の塗装が剥げ、ガルバリウム鋼板がむき出しになってしまうと腐食してしまうこともあります。そのため、定期的に表面の塗装を塗り替えるなど適切なメンテナンスを施すことが重要です。

また、非常に軽量で、かつ薄い金属板であるため雨音などは伝えやすい性質を持っています。金属板の裏面に施される断熱シートによりある程度は改善されますが、断熱性と遮音性の更なる向上を目的に、断熱材の追加なども検討するとよいと思います。

銅板屋根

良い点(メリット):

  • 緑青(ろくしょう:神社などの屋根の緑がかった色)により独特の風合いが得られる
  • 耐久性が非常に高い
  • 軽量

悪い点(デメリット):

  • 高価
  • 雨音が気になる可能性がある
  • 色が選べない
  • 断熱性が低い

基本的な性質は板金屋根と似ていますが、銅板屋根は銅自体の耐久性が非常に高いため、適切な施工とメンテナンスを行えば100年は持つといわれています。また、緑青により独特の緑がかった、他の材料にはない風合いをかもちだすことができます。しかしながら、他の材料よりも非常に高価であるため、緑青が気に入り、デザイン性にこだわる方でないとおすすめはできません。

ALCパネル

良い点(メリット):

  • 屋根を外壁で隠すことができる
  • 屋根に隙間がないため防水性が高い

悪い点(デメリット):

  • 高価
  • 防水工事が別途必要

主に重量鉄骨造で採用されることがあります。他の屋根材料と違い、外壁で屋根を隠すことができるため、一見すると住宅に見えないような建物とすることができます。

また、ALCパネル自体に防水性がないため、ALCパネルの表面に防水を行う必要がありますが、他の材料よりも隙間のない防水を行うことができ、防水性については一歩抜きんでていると言えます。ただし、適切な防水性が確保されず、ALCパネル内部に水が入り込んでしまうと劣化しやすいため、定期的なメンテナンスは必須事項です。

なお、耐久性については上記した劣化要因などが生じない場合、50年程度はもつとも言われています。

鉄筋コンクリート(デッキスラブ)

良い点(メリット):

  • 屋根を外壁で隠すことができる
  • 屋根に隙間がないため防水性が高い
  • 地震に強い

悪い点(デメリット):

  • 重い
  • 高価
  • 防水工事が別途必要

主に鉄筋コンクリート造もしくは重量鉄骨造のみで採用されています。ALCパネルと同様の性質を有しておりますが、鉄筋コンクリートはALCパネルよりも重いため、建物自体の強度が必要になります。なお、ALCパネルよりも遮音性は高いですが、材料費のほか、現場施工による手間などもかかるため高価になりがちな材料です。

管理人のおすすめ

木造や軽量鉄骨造であれば、瓦屋根、スレート屋根、板金屋根、銅板屋根のいずれかから選ぶとよいでしょう。管理人は価格と性能のバランスから板金屋根をおすすめします。

また、鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造であれば、鉄筋コンクリートによる屋根が一般的ですが、価格を抑えたいのであればALCパネルも選択肢に入るでしょう。

まとめ

種類価格防水性断熱性遮音性耐震性耐久性
×
スレート×
板金
×
ALCパネル
鉄筋コンクリート×

 

屋根の種類によってメリット、デメリットが大きく変わってきます。また、それぞれの屋根によって、必要なメンテナンスと頻度が異なります。屋根は一番日があたり、雨もあたる、建物の中でも非常に過酷な場所にさらされる部材です。そのため、材料が劣化し、防水性に支障をきたした場合、漏水が発生してしまうほか、断熱性も低下してしまいます。建物を建てる上で軽視されがちな屋根ですが、安全で快適な住環境を得るための非常に重要な役割を担っているのです。

しかしながら、ここで挙げた屋根の特徴はほんの一例であり、各屋根材メーカーによっても性能に差があります。そのため、建物を建てる際は上記の内容を参考としつつ、専門家とより具体的な相談をすることをおすすめします。

こちらの記事で業者の探し方をご紹介しています!あわせてご一読ください。

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